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うそ発見AI〜日経サイエンス2019年4月号より

捏造の盗難届を特定する強い味方

 


いらすとや

最近,スペイン国家警察に新メンバーが加わった。「ベリポル」という人工知能(AI)ツールだ。偽の盗難届を嗅ぎつける初のテキストベースシステムで,驚くほど正確だという。

 

カマチョ・コラドス(Miguel Camacho Collados)は数年前にグラナダで警部として勤務していたとき,後にでっち上げと判明する盗難届の多さに閉口した。「多くの同僚が起こってもいない事件の捜査に多くの時間を無駄にしていた」と,現在はマドリードにあるスペイン内務省に在籍しているカマチョ・コラドスはいう。

 

人々は様々な理由で盗難届を捏造する。何か貴重な物を紛失したことを家族や友人に明かさずにすまそうとする人もいるが,保険金をだまし取ろうとする輩もいるとカマチョ・コラドスはいう。それらを見つける唯一の方策は熟練の警察官に頼んで疑わしい報告を調べてもらうことだったが,この方法が常に有効とは限らない。そこで数学の専門教育を受けた経歴のあるカマチョ・コラドスは他の科学者とともに,盗難届の言葉遣いを精査することで捏造を見つけ出すコンピューターシステムを設計した。

 

専門の警官よりも正確

チームはベリポルを合計1122件の捜査ずみ盗難届(つまり窃盗犯の有罪が確定したか届出人が事件の捏造を告白したもの)に基づいて訓練した。続いて,659件のサンプル盗難届が本物か捏造かをどれだけ正確に判別できるか,2人の専門捜査官と比較した。ベリポルの成績は警官をそれぞれ15%と20%上回った。昨年6月のKnowledge-Based Systems誌に報告されたこの結果は,人々が警察にどのように嘘をつくかについても理解をもたらした。例えば捏造盗難届には特定の手口が記述される傾向にある(賊はたいていヘルメットをかぶり,背後から襲ってきたなど)。また,文が比較的短く,実際の事件に関する情報を欠いている。(続く)

 

続きは現在発売中の2019年4月号誌面でどうぞ。

 

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