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はやぶさ2,リュウグウ着陸へ〜日経サイエンス2018年11月号より

上空からの観測で小惑星表面の詳細が判明し着陸地が決まった

 

探査機「はやぶさ2」は小惑星リュウグウ上空からの観測で表面の詳しい状況が判明したことを受け,9月下旬から10月上旬にかけて小型探査機3台を相次ぎ着陸させる。探査機本体もリハーサルの後,10月下旬に小惑星表面まで降下し,1回目の試料採取を実施する。生命の起源について,原初地球に衝突した小惑星が持つ有機物と水が重要な役割を果たした可能性があり,リュウグウの試料によって関連研究に弾みがつくと期待されている。

 

はやぶさ2は6月27日,リュウグウ上空に到達した。リュウグウは2つの円錐の底面を貼り合わせた,そろばんの玉のような形状。自転軸は,そろばん玉を貫く桁(けた)とほぼ同じ位置関係にあり,その赤道面は地球の公転軌道面とほぼ重なり,約7.6時間で自転している。赤道部分の直径は約1000m,それと垂直な極方向のサイズは約900mだ。リュウグウにも地球と同様,緯度と経度が設定されたが,自転の向きが地球と逆になっている関係で,リュウグウにおける北極と南極は地球とは逆になる。

 

はやぶさ2は,地球に近い側のリュウグウの赤道上空20kmをホームポジションとして,一定期間,赤道表面近くまで降下したり,南極方向と夕方側の方向に水平移動したりして,多角的に表面の状況を観測している。小惑星表面に向けて照射したレーザー光が反射して戻ってくるまでの時間差から表面の凹凸の状況を測定,カメラで撮影した画像と合わせることで,クレーターや大きな岩塊などの分布がわかる詳しい立体地形図が得られた。赤外線カメラで表面の温度が,赤外線の分光計(波長ごとの明るさを調べる装置)で含水鉱物の分布状況が調べられた。

 

見えてきた素顔

クレーターは直径200~300m級もいくつかあるが,直径に対する深さの比率は0.1~0.2で,これまで観測されている小惑星や彗星の一般的なクレーターとよく一致する。クレーターの分布密度は初代はやぶさが探査した小惑星イトカワなどと同程度だ。岩塊は10m超のものも数多く,小惑星表面にほぼ一様に分布する。最大のものは約130mで南極付近にある。太陽が当たっている昼側の表面温度は約100℃で,公転運動で太陽から遠ざかれば20℃程度下がると予想される。(続く)

 

 
続きは現在発売中の2018年11月号誌面でどうぞ。

 

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