News Scan

系外惑星の山脈を探す方法〜日経サイエンス2018年7月号より

巨大な望遠鏡で減光の変化をつかむアイデア

 

ヒマラヤ山脈が地球の輪郭を歪めている割合は,ビリヤードの球の表面に載った人の毛髪と同程度にすぎない。そんなわずかな出っ張りを遠い星の周りを回る惑星について検出するなど不可能に思えるだろうが,2人の天文学者が系外惑星の山脈など地表の特徴を検出する方法を提案した。

 

系外惑星の山脈の発見は,その惑星が生物を宿せるかという別の重要な疑問に対処するのに役立つ可能性がある──と語るのは,この提案を述べた論文を共著したコロンビア大学の天文学専攻の大学院生マクティア(Moiya McTier)だ。同論文は4月のMonthly Notices of the Royal Astronomical Society誌に掲載された。

 

地球上の生物は地球そのものの内部活動に依存している。プレートテクトニクスが炭素を循環させ温度を調節し,地球磁場は危険な太陽風を遮蔽してくれている。山脈や火山活動は,惑星にそうした内部活動が存在すること,あるいは少なくともかつて存在していたことを示す形跡だ。

 

現在までに約3700個の系外惑星が特定されているが,大きさと質量を除くと何もわかっていないものがほとんどだ。大半は惑星が親星の手前を横切る際に生じるわずかな減光を測定する「トランジット法」で検出された。マクティアとコロンビア大学の同僚キッピング(David Kipping)が提案した方法はトランジット法に基づくものだが,巨大な望遠鏡が必要になりそうで,そうした望遠鏡が数十年内に実現する見込みは薄いだろう。

 

口径74mの望遠鏡で…

マクティアらの考えでは,山脈を持つ惑星が自転しながら星の手前を横切ると惑星のシルエットが変化し,減光の測定値に変動が生じる。彼らは控えめな見積もりに基づき,口径74mの望遠鏡を用いて惑星のトランジットを約6カ月間にわたって計20時間ほど観測すれば,火星並みの「でこぼこさ」を正確に計測できると考えている。これは既存の望遠鏡には途方もない注文で,現在は口径30mの大型望遠鏡TMTをハワイに建設する計画などが国際共同で進んでいるところだ。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年7月号誌面でどうぞ。

 

サイト内の関連記事を読む