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極楽鳥の漆黒の羽根〜日経サイエンス2018年6月号より

光をほぼ完全に吸収する仕組みとその目的

 

多くの極楽鳥(フウチョウ科の鳥)のオスは求愛行動に明るい色と虹色に輝く飾り羽を用いるが,いくつかの種は漆黒の羽毛も身につけている。最近の研究で,それら真っ黒な羽毛に隠された構造上の秘密が解き明かされた。光を吸収するように設計された人工素材に匹敵するビロードのような深い暗黒を生み出している。

 

光を通さないほとんどの物体と同様,羽毛の色も通常は表面被覆の色素が生み出しているか(メラニンによって皮膚に色がつくように),光を反射するごく小さな表面構造から生じている(玉虫色の蝶や甲虫に見られるのと似た表面構造)。

 

しかし漆黒の羽毛は玉虫色とは正反対だと,この件に関する最近の研究論文を共著したハーバード大学の進化生物学者マッコイ(Dakota McCoy)はいう。この羽毛は当たった可視光の99.95%までを吸収すると,マッコイらは1月のNature Communications誌に報告した。

 

小羽枝の隙間へ光が反射

これらの特殊化した飾り羽を詳しく観察すると,羽毛が光をとらえる芸当が明らかになる。羽毛の先端近くにある「小羽枝」という微細構造が,さらに小さな多数の分岐構造によって覆われているのだ。飛翔用の風切羽は対照的に,ほとんどの小羽枝にマジックテープのような鉤がついており,これらが隣の小羽枝と引っかかって,隙がなく頑丈だが柔軟な空気力学的表面を作り出している。

 

漆黒の羽毛に林立している小羽枝(羽毛の先端に向かって約30°傾いている)に光が当たると,光は外向きではなくこれら微細構造の間の空隙へ反射されるとマッコイはいう。これらの羽毛の表面に金を蒸着しても依然として黒く見えるのに対し,色素の黒色によって黒く見えている羽毛を同様にコーティングすると金色に見えたと付け加える。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年6月号誌面でどうぞ。
 

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