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頭でっかちは無用?〜日経サイエンス2018年5月号より

IQがあまりに高い人はよい上司と感じられなくなる

 

大学生から企業の重役,社長まで,知性ある人はより優れたリーダーとなることを複数の研究が示している。市場の変化や膠着した議論に対処するのに知的能力が必要になるのは確かだ。だが,リーダーシップに関する新研究によると,ある値よりも高いIQ(知能指数)を持つのはかえって有害と考えられる。

 

頭のよいリーダーが率いるグループは客観的な基準で測って優れた成果を上げることが以前の研究から示されていたものの,一部の研究では,リーダーの知能がずば抜けて高い場合には部下がリーダーをあまり有能ではないと感じる可能性がうかがわれた。数十年前,カリフォルニア大学デービス校の心理学者サイモントン(Dean Simonton)は,才気あふれるリーダーの言葉は人々の頭上をそのまま通過するだけで,そうした人が示した解決策は複雑すぎて実行不能となり,部下はリーダーを煙たく感じるだろうと唱えた。最近,サイモントンは2人の同僚研究者とともにこの仮説をついに検証し,結果をJournal of Applied Psychology誌2017年7月号に発表した。

 

IQ120に評価のピーク

研究チームは金融や小売,技術など様々な業界にわたる30カ国のビジネスリーダー男女合わせて379人を調べた。これら管理者たちはIQテストを受け(完璧ではないが多くの領域で成績の確かな予測因子となる),それぞれ平均8人の同僚からリーダーシップの形態と効果について評価を受けた。有効性や戦略形成,洞察力などいくつかの特徴に関する評点とIQには正の相関が認められたが,それはあるポイントまでだった。評点はIQが約120(会社員の約80%はIQ120以下)のところでピークとなり,これを超えると評点は下がった。その労働文化のなかで技術的スキルと社会的スキルのどちらに価値があるかによって,“理想的なIQ”は上下しうるのだろうと研究チームはみている。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年5月号誌面でどうぞ。

 

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