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隕石が作るダイヤの姿〜日経サイエンス2018年4月号より

六方晶ダイヤモンドの形成過程が高速X線写真で明らかに

 


IMAGE:NASA

グラファイト(黒鉛)を含む隕石が地球に激突すると,衝突の熱と圧力によって炭素の形態が変わり,希少で非常に硬いタイプのダイヤモンドになる場合がある。この変化が原子レベルでどのように生じるのか,正確なところは長年の議論の的だったが,衝突の瞬間をシミュレートしてこの変化が生じる過程をリアルタイムで観察することにより,いくつかの疑問に答えられるようになった。

 

ワシントン州立大学の物理学者グプタ(Yogendra Gupta)らは米国立アルゴンヌ研究所にある衝突チャンバーを用いて隕石の衝突を模擬した。この衝突チャンバーは隕石衝突を模擬できるものとしては初めての設備だ。実験ではフッ化リチウムの弾丸をグラファイトの円盤めがけて秒速5.1kmで撃ち込み,衝突の様子を超高輝度のX線によって毎秒1500億フレームの速度で“撮影”した。

 

50万気圧の圧縮過程でダイヤに

「これまで,グラファイトからダイヤモンドへの遷移が圧縮の過程で起こるのか,それとも衝突後の変形と応力解放の組み合わせによるものなのかが常に問われてきた」とグプタはいう。「私たちはそれが圧縮の際に起こることを非常にはっきりと示した」。具体的には,結晶構造から「六方晶ダイヤモンド」と呼ばれるこのまれなダイヤが,圧力50万気圧においてナノ秒(10億分の1秒)の時間スケールで形成される。これは従来考えられていたほどには激しくない衝突でも六方晶ダイヤモンドが生じうることを示している。

 

以前の研究では六方晶ダイヤモンドの形成にはこの4倍近い高圧が必要とされてきたが,「異論も多かった」とグプタはいう。別の研究はグラファイトがもっと低い圧力で変化し始めることをうかがわせたが,X線計測の結果は異なるタイプのダイヤモンドの混在を示し,「遷移がどのように起こるのか正確にはわからなかった」。

 

以前の研究のほとんどはグラファイトをゆっくり圧縮した場合の原子構造の変化を調べていた。グプタらの今回の実験はこれと対照的に,突然の衝撃を受けたグラファイトから衝突方向とまさに一致した向きに六方晶ダイヤモンドが直接に形成されることを示した。昨年10月のScience Advances誌に発表。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年4月号誌面でどうぞ。

 

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