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古代木の年輪〜日経サイエンス2018年3月号より

古生代の樹木クラドキシロンは非常にユニークな成長をしていた

 

マツの木の幹を切ると,同心円状の輪が見える。ご存じの通り,この年輪は成長期と対応している。だがすべての切り株がこうとは限らない。去る11月に米国科学アカデミー紀要に発表された研究は,世界最古の木がまったく異なる構造をしていたことを明らかにした。

 

約3億7000万年前,高さ8mを超える「クラドキシロン」という木が生えていた。葉ではなく細い小枝のような分岐で覆われ,ひょろ長いヤシの木のような見た目だった。現在に残る化石は非常に少なく,その内部構造はほとんどわからなかった。ほとんどの場合,化石化する前に内部は腐り,代わりに砂が詰まってしまった。だが最近,保存状態のよい化石が中国で2つ発見され,この木の内部の仕組みが明らかになった。他のどの種にも見られない構造だ。

 

複数の筋ごとに成長輪

成熟したクラドキシロンの木は基本的には中空だった。幹の縁近くに,木部(多くの植物に見られる水を運ぶ管状構造)を含む太いストランド(筋)が縦に走っていた。現代の樹木は成長とともに木部の層が新たに付け加わり,1つの同心円状の年輪からなる幹ができる。これに対しクラドキシロンでは「木部のストランドそれぞれに成長輪が形成された」と英ウェールズにあるカーディフ大学の古植物学者で中国科学院とニューヨーク州立大学ビンガムトン校の研究者とこの研究論文を共著したベリー(Chris Berry)はいう。

 

クラドキシロンの切り株を観察したら,軟組織のなかに木部のストランドが何十本も保持され,そのそれぞれが成長輪を伴った小さな“木”のように見えるだろう。成長につれてこれらの木部がそれぞれ複数に分かれ,植物全体に水を供給したと考えられる。そして新たにできたストランドの周りに年輪が形成された。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年3月号誌面でどうぞ。

 

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