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社会性と脳の大きさ〜日経サイエンス2018年3月号より

クジラとイルカの社会行動はその脳の大きさに対応している

 

シャチには群れごとに方言があり,マッコウクジラは互いに子守りをしあい,ハンドウイルカは別種の動物と協力する。最近のNature Ecology and Evolution誌に報告された研究によると,このような社会的スキルはどれも,これら水生哺乳類の脳の大きさと密接に関係している。

 

社会的生活と脳の拡大(大脳化)の関係が最初に提唱されたのは30年近く前で,大きな脳を持つ霊長類が一般に大きな群れを作って生活しているのが観察されたことによる。この仮説はその後,いさかいの解決や食物の分配といった社会的行動と脳の大きさとの関連にまで拡張された。

 

英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経済心理学者ムスクリシュナ(Michael Muthukrishna)らは,クジラやイルカなどクジラ目の哺乳動物を対象に,同様の関連性を探した。クジラ目動物90種の脳の重量,体重,群れの大きさ,社会的特徴に関する包括的なデータセットをまとめた。これを解析して,他の動物種との協力や群れが共同で行う狩猟,複雑な発声など様々な社会的行動に基づく「社会的レパートリースコア」を算出したところ,この指標によって脳の大きさを最もよく予測できた。また,食物の豊かさや行動圏の広さなど他の要因も脳の大きさと関連していた。(続く)

 

続きは現在発売中の2018年3月号誌面でどうぞ。

 

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