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木造高層ビルで排出削減〜日経サイエンス2017年12月号より

木材は新しい鋼材だ

 

木造高層ビルというと筋の悪い考えに思えるだろう。巨大な発火装置になりかねない。だが,世界の建築家が建てる木造高層建築物は着実に増えている。二酸化炭素排出の削減が目的の1つだ。

 

ロンドンやメルボルンなどの大都市に木造高層ビルが出現している。さらに多くが建設中で,オレゴン州ポートランドでも間もなく完成する。それらは木造建築の高さ記録を更新中だ。完成ずみのなかで最も高いのはカナダのバンクーバーにあるブロックコモンズというビルで,高さは53mある。先ごろ正式にオープンした。

 

木材は強くて軽く,地震に強いと,ブロックコモンズを設計したアクトン・オストリー・アーキテクツ社の主任建築士アクトン(Russell Acton)はいう。そのうえ,そうしたビルに用いられる厚みのある木材は実のところ驚くほど耐火性に優れている。燃えると外側に炭の層ができて,その下の材料を保護するからだ。

 

環境面での利点もある。森林を適切に管理する限り,材木は持続可能な資源であり,鋼鉄やコンクリートなどの在来の材料に比べて生産過程(生木の育成から建物の完成まで)で排出される二酸化炭素は少ないとみられる。加えて,樹木は自然の炭素吸収源であり,温室効果ガスを大気中から吸収する。木材はまさに都市を“グリーン”にするのに役立つ。■

 

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