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踊るクマちゃん〜日経サイエンス2017年10月号より

足跡に匂いのメッセージを残している

 

クマを研究する生物学者は何十年も前から,クマが愉快な歩き方をすることを知っている。「相撲歩き」や「カウボーイウォーキング」,または単に「くまダンス」など様々な呼び方がある。多くの研究者がその理由を推測してきたが,最近の研究でついに確かな手がかりが得られた。

 

クマは歩行の際,足を強く地面につけて踏みにじる。また,他のクマが残した足跡の匂いをよくかいでから,その足跡に自分の足を踏み入れることもある。これらの道筋はクマたちが繰り返し通るので,“クマの幹線道路”と呼ぶ人もいる。

 

 

「みんな足跡に何かがあるのだろうと考えていたのだが,誰も本気で調べていなかった」とポーランド科学アカデミー自然保護研究所の生物学者で先ごろのScientific Reports誌に載った論文を共著したセルギエル(Agnieszka Sergiel)はいう。セルギエルらは,クマが足の分泌腺から匂いを出して足跡に残し,コミュニケーションの手段としているのではないかと考えた。

 

セルギエルのチームは2頭のヒグマを調べ,クマの足に汗腺があることを突き止めた。足跡にはその匂いが残っていると考えられる。また同チームはクマの足の汗から26種類の揮発性化合物を同定し(うち6種はオスに固有だった),クマたちがこの匂いをもとに,そこを前に歩いたクマの性別を判別している可能性を示した。

 

クマの足跡はメールボックスのようなものだとセルギエルはいう。ただしメッセージの中身はまだ謎だ。■

 

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