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ゾウよけにハチのパワー〜日経サイエンス2017年5月号より

農作物を荒らさぬよう遠ざける

 

 ゾウはネズミを怖がることはないが,この厚皮動物が間違いなく避けて通る小さな動物がいる。ハチだ。自然保護活動家たちはこの恐怖を利用して,ゾウを農作物から遠ざける試みをアフリカで始めている。アフリカでは人とゾウの衝突で,毎年双方に数百の犠牲が出ているのだ。

 

象&蜂プロジェクト  非営利団体セイブ・ジ・エレファンツが実施しているこのプロジェクトでは,蜂フェンス(ハチの巣箱をつけた金網フェンス)を設けて,ゾウが農作物を踏み荒らしたり食べたりするのを防ごうとしている。2008年にまず実験的プロジェクトがケニアで始まり,以降アフリカの6カ国に拡大してきた。Conservation Biology誌に掲載予定の論文によると,このブンブンいう蜂フェンスのおかげで,近づいてきたゾウの80%を締め出すことができた。これらの特殊フェンスは地元民に蜂蜜による収益ももたらしていると,プロジェクトリーダーのキング(Lucy King)はいう。

 

エア・シェパード  リンドバーグ財団のこのプログラムは,ハチに刺される脅威を模擬的に作り出すことで衝突を避けようとしている。昨年夏,研究チームがマラウイにドローンを持ち込んで密猟者を探した際,思わぬ発見があった。ドローンの音にゾウが怯えて逃げ出すようなのだ。「ハチの羽音のように聞こえるから」と,同プログラムでドローン運用を統括するフォン・エルク(Otto Werdmuller Von Elgg)はいう。エア・シェパードは現在,密猟防止に加え,農場のフェンスとリウォンデ国立公園の周辺でほぼ毎夜ドローンを飛ばしてゾウの侵入を防いでいる。アフリカにはドローン利用を法的に認めていない国もあるが,フォン・エルクは最終的にはもっと多くの地域でこの考案が離陸するだろうと考えている。「ドローン1機で100頭のゾウの群れを十分に動かせる」という。■

 

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