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世界最小ロケットで宇宙へ〜日経サイエンス2017年2月号より

JAXA宇宙研が超小型衛星打ち上げ

 

IMAGE:日経サイエンス

人工衛星を搭載する世界最小ロケットが1月11日にも,鹿児島県肝付町の宇宙航空研究開発機構(JAXA)内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられる。超小型衛星の需要拡大が見込まれることから,そうした衛星を低コストで運ぶロケット技術の実証を行う。JAXAは国際宇宙ステーションを利用した超小型衛星の軌道投入にも力を注いでいる。去る12月9日に種子島宇宙センターからH2Bロケット6号機で打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機を使って,超小型衛星7基と,超小型衛星を宇宙ステーションから放出するための新型装置が運ばれた。

 

打ち上げるのはJAXA宇宙科学研究所が観測ロケットとして運用しているSS-520の4号機。観測ロケットは高度数百kmまで上昇後,自由落下中の滞空時間を使って大気高層観測や天文観測,ロケット関連技術の実証実験を行う。SS-520の1号機は1998年に内之浦から,2号機は2000年に北極圏バレンツ海のノルウェー領スピッツベルゲン島から打ち上げられ,3号機は別途打ち上げ計画が進んでいる。

 

ただSS-520は観測ロケットとしては大型の2段式ロケットで,第1段エンジンは140kgの装置を高度約800kmまで打ち上げる能力があることから,第3段エンジンを付ければ超小型衛星を軌道投入できるとされていた(ちなみに国際宇宙ステーションの軌道高度は約400km)。

 

今回,民生品を活用した宇宙機器の軌道上実証を行う経済産業省の事業の一環として宇宙科学研究所の提案が採択され,超小型衛星の打ち上げ構想が実現する運びとなった。衛星打ち上げ仕様に改造するため,宇宙研は新たに3段目のエンジン(固体燃料を燃やして推力を生み出す。第1段と第2段も同様)などを新規開発した。公表された情報から判断すればSS-520の4号機(全長9.54m,2.6トン)が衛星打ち上げロケットでは世界最小になる。(続く)

 

続きは現在発売中の2017年2月号誌面でどうぞ。

 

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