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GOES-R,アー,ゴー!〜日経サイエンス2016年12月号より

米国の次世代気象衛星は雷や猛烈な嵐を常時監視する

 

上空約3万6000kmに配置された3基の静止気象衛星なしには,米国の毎日の天気予報はいまほど正確にはいかなかっただろう。この11月,その予報がさらに向上する見込みだ。米海洋大気局(NOAA)と米航空宇宙局(NASA)は,通常の天気とハリケーンなど危険な嵐の両方に関する予報能力を“画期的”に高める4基の人工衛星シリーズの最初の1基を打ち上げる。これら次世代衛星は既存の気象衛星を置き換えるために準備されてきた。既存の1基は年内に運用寿命が尽きる。

 

問題領域を30秒ごとに撮影

GOES-R〔GOES(ゴーズ)はGeostationary Operational Environmental Satelliteの略〕と呼ばれるこの新シリーズは,米国本土全域の上空で雲のなかに見られる雨と雪,雷の兆候を5分おきに調べ,問題領域に絞った画像を30秒ごとに撮影する能力を備える。比較のためにいうと,現在の旧版GOESは米国本土の画像を30分おきに撮影しており,特定領域に絞った画像の撮影を同時並行で行うことはできない。

 

「30秒ごとに問題領域を観測することで,予報官は何が起こっているかをほぼリアルタイムで把握でき,急速に発達する嵐の発生や進展など,現在の衛星画像ではとらえられない情報を提供できるようになる」と,NOAAでGOES-Rのシステムプログラムマネジャーを務めているマント(Greg Mandt)はいう。「より効果的な警告と避難が可能になる」。

 

衛星画像は嵐の雲の動きを表示・予測する米国立気象局(NWS)の予報マップに大きく貢献している。GOES-Rになると,収集するデータは従来の3倍,画像の解像度は4倍,カバー範囲あたりの観測スピードは5倍になる。

 

 

雷や太陽嵐も検出

気象衛星としては初の雷観測センサーという計器も呼びものだ。この高速近赤外線カメラは北米と南米および周辺海域の上空で稲妻を検知し,猛烈な嵐について警報を速やかに発表できるようになる。このほか,太陽を監視して地球に荷電粒子を浴びせる恐れのある危険な太陽嵐を検出する計器も搭載される。宇宙天気予報が向上すれば,送電網や人工衛星への影響について注意報を出せるだろう。(続く)

 

続きは現在発売中の2016年12月号誌面でどうぞ。

 

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