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どろぼう太陽〜日経サイエンス2015年11月号より

太陽は小天体セドナを隣の星から強奪したらしい

 

2003年の発見当時,セドナは太陽系の惑星クラブのなかで最も遠い天体だった。巨大惑星に決して近寄らないその特異な軌道は,同様に特異な来歴をうかがわせた。どのようにしてセドナはそこへやってきたのか? 新しいコンピューターシミュレーションは,太陽が別の星からセドナをひったくった可能性を示している。

 

2012年,セドナの過去を探る1つの手がかりが得られた。セドナと同じく遠く離れた長い楕円軌道をめぐるさらに小さな天体が見つかったのだ。オランダにあるライデン天文台の天文学者イールコヴァー(Lucie Jílková)とポルテギース・ズワルト(Simon Portegies Zwart)らは,セドナとその相棒である「2012 VP113」の軌道が恒星間の略奪によって生じた可能性を調べることにした。

 

略奪現場
 「私たちはその可能性があることを示した」とイールコヴァーはいう。さらに略奪の現場を再現し,被害にあった星の性質まで推定した。その星は「スターQ」と名づけられた。

 

研究チームはMonthly Notices of the Royal Astronomical Society誌に投稿した論文のなかで,スターQはもともと太陽よりも約80%大きかったと述べている。それが地球から340億km以内を通過した。この距離は太陽・海王星間の距離のわずか7.5倍だ。

 

この近さは,スターQが太陽と同じ星団で生まれたことを意味する。スターQはいまも存在してはいるものの,質量が大きいために急速に燃えたので,発光の最盛期はとうの昔に終わっているだろう。薄暗い白色矮星となっているため,スターQを発見するのは難しい。(続く)

 

続きは現在発売中の11月号誌面でどうぞ。

 

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