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目につく雑菌〜日経サイエンス2015年10月号より

コンタクトを使うとやはり…

 


 IMAGE: maikel_nai

 コンタクトレンズを使っている人は,その便利さとともに,ありがたくない微生物を目に招き入れていることが多い。実際,ニューヨーク大学ランゴーン・メディカル・センターの微生物学者チームの詳細な分類研究によると,コンタクト使用者の目の表面には裸眼の人の目よりも多様な細菌がすみついている。コンタクト使用者が7倍も目の感染症にかかりやすいのは,この違いで説明できそうだ。

 

 同研究チームは目のマイクロバイオーム(細菌叢)をマッピングするため,コンタクト使用者9人と非使用者11人の眼球とまぶたから採取した数百の標本について遺伝子解析した。この結果,コンタクト使用者はメチロバクテリウム属とラクトバチルス属,アシネトバクター属,シュードモナス属の細菌を通常よりも約3倍多く保有していた。前者3つは一般に無害だが,シュードモナス属の菌が角膜の傷から侵入すると目の充血や痛み,かすみ目を引き起こし,治療せずに放置すると失明する場合もある。

 

 研究チームのパーク(Lisa Park)によると,これらの細菌は私たちの皮膚に見られる常在菌だ。つまり,コンタクトレンズを装着する際に,指についていた菌が入ってきた可能性が高い。また,それによって目のマイクロバイオームが簡単に急変すると思われる。

 

 今回の研究の別の結果がそれを裏づけている。使い捨てコンタクトレンズの使用者はコンタクトレンズ非使用者よりも,目にいる細菌の構成と当人の皮膚にいる細菌の構成がよく似ていたのだ。「決定的な関連とはいえないが,とても興味深い」とパークはいう。レンズ自体の物理的特性,例えば眼球に及ぼす圧力なども,細菌の成長を促している可能性がある。

 

 サンプルから見つかった細菌株は総計約1万系統に上った。目に存在する微生物コミュニティーを患者ごとに正確に知れば,それに合った抗生物質を使って感染症を治療できると,シカゴ大学の微生物学者ギルバート(Jack Gilbert)はいう。

 

 だがコンタクト使用者がそもそも感染を避けるには,コンタクト使用の推奨ルールをきちんと守ることだろう。レンズに触る前によく手を洗い,レンズの洗浄・保存に新鮮な生理食塩水を使い,レンズの保存ケースを3カ月ごとに交換すること。そうすれば少なくとも,目を脅かす微生物が侵入する可能性は小さくなる。■

 

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