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幽霊銀河を発見〜日経サイエンス2015年6月号より

希薄に広がった奇妙な銀河が存在する

 

銀河を意味する「galaxy」という単語は「乳のような」というギリシャ語が起源だが,銀河のなかには極端に薄いスキムミルクのようなものがある。新しい小型望遠鏡群によって,そうした47個の“超散開銀河”が偶然に見つかった。非常に広い範囲に恒星が散らばっているため,幽霊のように青白く見える。いくつかは私たちの銀河系と同じくらいの大きさがあるが,それぞれ星の数は天の川銀河の1/1000ほどしかなく,はるかに暗い。こんな奇妙な銀河がどうして生まれたのか,誰にもわかっていない。

 

これらの幽霊銀河が天文学者の前に姿を現したのは,ニューメキシコ州に8個のキヤノン製望遠レンズで構成される「ドラゴンフライ」という望遠鏡アレイができてからだ。「コーマを見ずにはいられなかった」とトロント大学(カナダ)の天文学者エイブラハム(Roberto Abraham)はいう。かみのけ座(コーマ)にある大きな銀河団のことだ。この銀河団は地球から3億4000万光年離れた数千個の銀河を擁し,名高い物語で知られる。1930年代,天文学者たちが暗黒物質の存在を初めて認めたのがこの銀河団だった。

 

ドラゴンフライのコーマ画像は期待を裏切らなかった。エイブラハムらはその画像に,拡散した大きな銀河を示すかすかなしみをいくつか見て取った。幸運にも,その1つをハッブル宇宙望遠鏡が無関係の観測中にとらえており,詳細がわかった。それらの銀河は私たちの銀河系とまるで似ていない。均一で丸く,新しい星を形成するガスがない。「矮小楕円体銀河」という拡散した銀河に似ているものの,決して矮小ではない。この発見はAstrophysical Journal Letters誌1月号に報告された。(続く)

 

続きは現在発売中の6月号誌面でどうぞ。

 

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