News Scan

ウイルス性のがんが拡大〜日経サイエンス2015年5月号より

米国ではHPVに関連する頭頸部がんが男性の間に広がっている

 


 Image:wikipedia

 ほぼすべての子宮頸がんと,男女のその他多くのがんや陰部疣贅(ゆうぜい。腫瘤)は,ある種のヒトパピローマウイルス(HPV)が引き起こす。この最も危険なHPV株に対するワクチンが9年ほど前に米食品医薬品局(FDA)の認可を獲得し,米疾病対策センター(CDC)は11歳または12歳の男女全員に接種を推奨している。

 

 だが,主に女児と女性を対象とした接種キャンペーンの実績は期待外れだ。米国で2013年までに2種のワクチン(ガーダシルとサーバリックス)のいずれかを1回以上受けた13〜17歳の女性は半数を少し超える程度。男性に至っては35%という残念な数字だ。最近,このウイルスに関連する頭頸部がんが増えつつあり,一部の専門家は男女を問わないワクチン接種,むしろ男性を中心に接種するほうが有効だとみて,これを推奨するようになっている。

 

HPV陽性の咽頭がんが急増

 HPV感染症は米国を含め世界で最も罹患率の高い性感染症で,男女ともほぼ全員が一生に一度は感染する。ほとんどの人はこのウイルスを自然に排除するものの,一部のウイルス株に感染したままだと,子宮頸がんや中咽頭がん(のどの奥や扁桃,舌の奥に生じる)につながる。最新のデータでは,毎年新たに発生するすべてのがん症例のうちHPVが関連するものは女性で3.3%,男性では2%で,ウイルス性の中咽頭がんと肛門がんの発生率は増えている。(続く)

 

続きは現在発売中の5月号誌面でどうぞ。

 

サイト内の関連記事を読む