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根粒菌で穀類増産〜日経サイエンス2015年2月号より

3人の農ガールにサイエンスフェア賞

 

マメ科植物のコブを偶然に観察したのをきっかけに,10代のグループが農業科学で世界の食糧危機を救う3年がかりの研究に取り組んだ。その根気が実を結び,去る9月,カリフォルニア州パロアルトで毎年開かれるグーグル・サイエンスフェアで大賞を受賞した(SCIENTIFIC AMERICANは同賞の共同スポンサー)。

 

きっかけは,アイルランドのキンセールに住む現在17歳のヒッキー(Emer Hickey)が母親と数年前に始めたガーデニングだった。引き抜いたエンドウマメの根が小さなコブ(根粒)で覆われていた。病気の兆候ではないかと考えてヒッキーが理科の教師に見せたところ,このコブは大気中の窒素をアンモニアなどの化合物に変えて植物の成長を助ける有益な根粒菌を含んでいるのだと説明された。

 

当時,ヒッキーのクラスは地理の授業で世界の食糧危機について学んでいた。そこで彼女と2人の友人,ジャッジ(Ciara Judge)とヒリソー(Sophie Healy-Thow)は,根粒菌をオオムギとカラスムギに加えたら収穫量が増えるのではないかと思いつき,試してみることにした。「どうなるか,ほんとに興味津々だった」とヒリソーはいう。

 

3人はベッドルームを実験室にして何千粒もの種子を使った約120回の実験を行い,根粒菌がオオムギの発芽を50%スピードアップし,収穫量を74%も増やせることを発見した。

 

現在は作物科学者とともに,この細菌が穀類とどう相互作用しているのかを追究するとともに,もっと広い畑で効果を確認しようとしている。「自分たちの発見を実際に役立てて世界を変えたい」とヒッキーは話す。■

 

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