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磁極反転迫る!?〜日経サイエンス2014年12月号より

磁北極がシベリアに向かって南下中

 

 地球の磁北極と磁南極は過去に何度も入れ替わっており,最近では約78万年前に反転した。磁場を調べている地球物理学者は反転が再び起こる時期が近づいている可能性があると以前から考えてきたが,新しいデータによると,その時期は予想以上に早いかもしれない。

 

 地球磁場がこれまで考えられていたよりも10倍速く弱まっていることを,欧州宇宙機関(ESA)の衛星アレイ「スウォーム」が明らかにした。5%弱まるのにかかる時間が従来考えられていた100年ではなく,10年だという。この衰弱は反転が迫っていることを示している可能性があり,2000年以内に反転プロセスが始まるかもしれないという。磁北極そのものはシベリアに向かって移動しているようだ。

 

反転のメカニズム

地磁気反転のプロセスはまだ完全には解明できていないが,地球磁場が双極子磁石に似ていることは地球物理学者が一致して認めるところだ。地球の中心は固体鉄の内核と,強力な導電体である液体鉄の外核で構成されている。外核の液体鉄は浮力を持ち,内核近くで熱せられると上昇し,冷えると沈む。地球の自転が液体鉄のこの動きをねじらせ,NSの両極を備えた永続的な磁場ができる。

 

 液体鉄の流れには局所的な乱れがときどき生じ,そこでは磁場の一部が向きを反対に変えて,その領域の磁場が弱まる。この乱れの原因はわかっていない。どうやらカオス系が本来持っている性質から来る必然の結果であるらしく,コンピューターシミュレーションでも頻繁に観察されている。

 

 カリフォルニア大学サンタクルーズ校の地球物理学者グラッツマイヤー(Gary Glatzmaier)は「ハリケーンと同様で,基本的な物理学を理解していても,反転がいつどこで始まるかを正確に予測することはできない」という。局所的な反転は一般に1000年ほどで衰えて消えるが,ときには逆向きの磁場が広がり続け,ついには地球磁場全体の極性が反転する。この過程にかかる時間は平均すると5000年だ。速いときには1000年,ゆっくりの場合は2万年かかる。(続く)

 

続きは現在発売中の12月号誌面でどうぞ。

 

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