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宇宙の巨大初代星の痕跡〜日経サイエンス2014年11月号より

太陽の100倍以上の質量を持つ宇宙の一番星が存在したようだ

 


国立天文台

 宇宙誕生から2億~3億年後に形成されたとみられる初代の星の中に,太陽の100倍以上の質量を持つ巨大な星が存在したことを示す観測的な証拠が得られた。そうした巨大質量星の大爆発で生じたガスや塵の雲の中で誕生したとみられる特異な元素組成を持つ小さな星を,国立天文台や甲南大学などからなる日米共同グループが,すばる望遠鏡などを使って発見した。謎が多い初代星の実像に迫る成果だ。

 

 発見の手がかりになったのは共同研究グループの米国メンバーが加わる「スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)」の観測データだ。

 

 SDSSでは米ニューメキシコ州にある口径2.5mの専用望遠鏡を使って,天の川銀河の星々を網羅的に可視光で撮影し,波長ごとの光の強さも大まかに測定している。研究グループはその観測データの中から,通常と異なるスペクトル(波長ごとの光の強さを示すグラフ)を持つ約150個の星を選び出し,口径8mのすばる望遠鏡を使ってより高精度でスペクトルを測定,そのデータをもとに星の元素組成を詳しく調べた。

 

 その結果,初代星の中でも数が少ないとみられ,存在が確認されていなかった巨大質量星を母体としてできた第2世代とみられる小質量星が見つかった(質量が太陽の100倍以上を巨大質量星,数十倍を大質量星,10倍以下を小質量星という)。

 

 発見された星「SDSS J0018-0939」は太陽の半分程度の質量で,くじら座の方向,約1000光年の距離にある(下の画像)。天の川銀河の星々の大半は銀河円盤に集まり,太陽系も含まれるが,発見された星は銀河円盤から離れた“辺境地域”にいたものが偶然,太陽系の近くを通りかかったものとみられる。(続く)

 

続きは現在発売中の11月号誌面でどうぞ。

 

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