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ダウンしない携帯電話ネット〜日経サイエンス2014年10月号より

災害時もLTEダイレクトで接続

 

  2012年にハリケーン・サンディが米国東部沿岸を直撃した際,最も被害が大きかった地域では携帯電話向け電波中継塔の半数が倒れ,主要通信手段を携帯電話に依存することの弱点が露呈した。そこでクアルコムなどの無線通信会社は新しい携帯電話標準づくりに取り組んでいる。新標準は携帯電話どうしが互いに“会話”することを可能にする一連の技術手続きからなり,通常のネットワークがダウンしても回線を維持できる。この「プロキシミティサービス」,あるいは「LTEダイレクト」の標準は年末までに認可されるだろう。

 

 典型的な携帯電話の通話では電波中継塔を経由して信号が伝わるが,LTEダイレクトはこの仲介役を省く。緊急時には携帯電話機どうしが4G LTE伝送と同じ周波数で直接に接続できるのだ。およそ500m以内にいる他のユーザーや救急隊などの第一応答者と通話できるだろう。目的の通話者が近くにいない場合にも,システムはメッセージを複数の携帯電話を経由して中継し,相手に届けることができる。

 

 LTEダイレクトを実用化するにはクアルコムなどの通信会社がアンテナと処理装置を更新する必要があるため,携帯電話に実際にこの機能が搭載されるのは1年以上先になるだろう。だが,新標準が認可されれば各社が動き出す。■

 

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