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No 紛争鉱物 Inside〜日経サイエンス2014年6月号より

インテルなどの企業が「紛争鉱物」に断固とした措置を取り始めた

 

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 いつものソーシャルメディアでのやり取りがコンゴ民主共和国で10年以上続いている内戦に影響を与えうるなど,にわかには信じがたい。問題はメッセージの内容ではなく,それを送る装置にある。スマートフォンやタブレット端末,パソコンなどには,金やタンタル,スズ,タングステンなど,いわゆる「紛争鉱物」から作られる電子部品が組み込まれている。それらの鉱物はコンゴ国内の鉱山で採掘され,利益の一部が武装勢力に渡っているのだ。

 

 半導体メーカーのインテルは1月に開かれた全米家電協会の国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)でこの問題を取り上げ,同社のマイクロプロセッサーは紛争鉱物をもはや使っていないとアピールした。同社は仕入先(特に鉱石から金属を取り出す精錬業者)が第三者による監査を受け,武装勢力に資金を流すよう迫る強要に屈していないことを証明するよう,段階を踏んで対応してきたという。

 

調達先の開示が義務に

 紛争鉱物の考え方がまだ認知されていなかった4年前,ワシントンにある非政府組織イナフ・プロジェクトが問題を提起し,インテルが関心を持った。同社の取り組みに刺激され,他の企業も自社製品の原料調達先を調べるようになったと,イナフ・プロジェクトの主任政策アナリストを務めるレジュネフ(Sasha Lezhnev)はCESで語った。

 

 ハイテク企業が使う問題の鉱物の量は宝飾品メーカーなど他業種に比べるとさほどではない。だがこれらの金属は電子機器に重要だ。多くのメーカーと同様,インテルも導電性に優れた金を回路やコネクター,半導体チップのパッケージに使っている。また,一部のコンデンサーのほか「スパッタリング」という蒸着処理にタンタルを使う。タングステンも半導体製造工程で限定的な役割を担う。スズは電子部品を回路基板に取り付ける「銀・スズはんだ」に欠かせない。

 

 近いうちに,どの企業も自社の仕入先網を精査しなければならなくなる。2012年8月,米証券取引委員会(SEC)は企業に対し,自社製品に使われている金,スズ,タングステン,タンタルの調達元を毎年開示するよう求め始めた。米国商工会議所と全米製造業者協会はこの新規則をめぐりSECを相手取って訴訟を起こしているが,企業は初の開示報告を5月31日までにSECに提出しなければならない。■

 

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