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睡眠を世界規模で調査~日経サイエンス2013年11月号より

眠りのパターンを実時間追跡する計画

 

 前夜によく眠れないと気分が悪く,目は腫れぼったく,あくびが何度も出るのはご存じの通りだ。また,慢性的に睡眠不足の人は心臓病や肥満,早死のリスクが高まる。だが,睡眠のパターンを大集団についてモニターするのは難しいため,睡眠に関する多くの問題の原因や詳しい影響はわかっていない。独ミュンヘン大学の時間生物学者レンネベルク(Till Roenneberg)は,世界規模で「人間睡眠プロジェクト」を実施すれば,これらの謎の一部がついに解けるだろうと考えている。

 

 一般に睡眠データを収集するには睡眠習慣を過去にさかのぼって調べるのがふつうだが,睡眠時間を多めに報告する人が多いので,この方法は信頼性に欠ける。実験室で調べれば正確だが,実生活を再現することはできない。これに対し6月のNature誌で提唱されたプロジェクトは,被験者に様々なセンサーを取り付けて睡眠パターンをリアルタイムで追跡する。被験者に詳細な情報がフィードバックされるというおまけもつく。

 

 「ウェブ上の自分のプラットフォームに接続して自分のデータを見られるとなれば,100人や1000人どころか,100万人が参加してくれると思う」とレンネベルクはいう。

 

 それらの全データを解析すれば,健康な眠りを約束する生活習慣要因を探り出せるだろう。「人工衛星で天気を調べるのと同様,世界規模で見た睡眠パターンの違いや,実験室研究ではふつう一定に保たれる各種因子の間の相互作用が明らかになるだろう」と,米国立睡眠財団の広報担当理事ハーシュコヴィッツ(Max Hirshkowitz)はいう。こうした睡眠プロジェクトを世界規模で実施することによって,文化や職業,地理的条件などがどのように睡眠パターンに影響するのかも明らかになると期待している。(続く)

 

続きは現在発売中の11月号誌面でどうぞ。

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