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オリーブオイルに認知症予防効果?〜日経サイエンス2013年8月号より

オレオカンタールという成分の作用が注目されている

 

 地中海式食事法はかねて,アルツハイマー病のリスク低下など健康によい効果があるとされてきた。ニューヨークに住む高齢者1880人を対象に行われた最近の調査結果が一例で,研究期間の14年間にわたって地中海式ダイエットを忠実に守った人は,そうではない人と比べてアルツハイマー病の罹患率が32~40%低かった。

 

 エキストラバージン・オリーブオイルが,このリスク低下の主な要因のひとつらしい。地中海式食事法を守る人々は,この香りのよい緑色のオリーブオイルを毎日約50ミリリットルも摂取する。以前はエキストラバージン・オリーブオイルに高濃度で含まれる一価不飽和脂肪酸が健康によいのだと考えられていた。しかし2005年,のどの奥にピリッとした感覚を引き起こす「オレオカンタール」という天然化合物が,炎症を抑えるイブプロフェンに非常によく似た効果を生じているらしいことが発見された。

 

ベータアミロイドの排除・分解を促進

 オレオカンタールがアルツハイマー病で神経破壊の主要因となっている神経原線維変化とベータアミロイド斑の形成を妨げることが,いくつかの研究によって示されてきた。2月にACS Chemical Neuroscience誌オンライン版に発表された研究は,この化合物の働きについて新たな詳細を報告している。マウスの脳細胞を培養して様々な濃度のオレオカンタールを3日間にわたって加えた実験だ。また,生きているマウスにもオレオカンタールを毎日,2週間にわたって投与した(こうした実験は初めてだという)。培養細胞でも生きたマウスでも,オレオカンタールの投与後に,ベータアミロイドを脳から排除するのに主要な役割を果たしている2種類のタンパク質と,ベータアミロイドを分解する酵素の量が有意に増加した。

 

 さらに,生きているマウスの脳にベータアミロイドを導入して調べた。オレオカンタールを投与されたマウスでは対照群と比較して,ベータアミロイドペプチドの排除・分解が有意に高かった。(続く)

 

 

続きは現在発売中の8月号誌面でどうぞ。

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