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系外惑星探索に新衛星TESS〜日経サイエンス2013年8月号より

近傍天体に注目,地球型を探す

 

 米航空宇宙局(NASA)のケプラー計画は大当たりだった。太陽系外惑星(太陽以外の恒星を周回している天体)とみられるものを数千個発見し,うち100個以上がすでに精査を経て系外惑星であることが確認されている。それらの多くはほぼ地球と同じ大きさの惑星だ。これまでに見つかった系外惑星のうち直径が小さいものから25個は,1つを除いてすべてケプラーによって発見された。ただし,ケプラーのこの莫大な収穫には1つだけ注釈がつく。発見された惑星が数百光年ないし数千光年の彼方にあり,詳しく調べるには遠すぎるのだ。

 

 そこで,NASAは2億ドルをかけてTESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite,トランジット系外惑星探索衛星)を2017年に打ち上げることを決めた。TESSはケプラーよりもはるかに広い天空領域をくまなく調べ,近傍にある新たな系外惑星群を明らかにして,将来の高性能望遠鏡による解析に供する。「総計で約50万個の星を調べることになるだろう」と,TESSの首席科学者を務めるマサチューセッツ工科大学の天体物理学者リッカー(George R. Ricker)はいう。そのうち数千個は太陽系から100光年以内にある。

 

 ケプラーやその前に打ち上げられた欧州のコロー衛星と同様,TESSは惑星のトランジット(恒星面通過)を探す。目に見えない系外惑星によって親星の光が一定の時間間隔を置いてさえぎられ,短期的に暗くなる現象を探すのだ。TESSは地球と同じか数倍の大きさの惑星を500~700個発見するとリッカーは見積もっており,そのうち何個かは生物がすめる可能性があるだろう。

 

ジェームズ・ウェッブ望遠鏡で精査

 TESSが2年間の基本運用を終えて近傍の系外惑星のリストを完成するころには,それら新発見の天体を詳しく調べるための強力な眼が整っているだろう。2018年の打ち上げが予定されているNASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)だ。ウェッブ望遠鏡は近くの系外惑星の大気に含まれる特定の分子の特徴をいくつか検出できるはずだ。(続く)

 

 

続きは現在発売中の8月号誌面でどうぞ。

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