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侵略アリの攻撃〜日経サイエンス2013年7月号より

アジアからオオハリアリが米国に侵入し,別種のアリや生態系を脅かしている

 

アルゼンチンアリは南極以外のすべての大陸に広がり,その膨大な数と猛烈な攻撃性で在来種のアリを圧倒している。だが最近,この侵略者は米国でライバルに出会ったようだ。アジアからやってきたオオハリアリだ。この異種間対決は,昆虫学者も驚いたことに,その戦場の生態系を破壊する可能性がある。

 

世界に1万2400種以上いるアリのうち侵略性の種はほんの一握りだが,生態系と経済,人間の健康に並外れて大きな影響を及ぼす。侵略アリは,その土地の環境で重要な役割を果たしている在来種のアリを殺したり食べたり駆逐してしまうことが多い。多くの在来アリは庭師のように土壌を耕して種をまくが,侵略アリはそうした仕事をしないのが普通だ。アジアとアルゼンチンの侵略アリの戦いは研究者にとって,目の前で侵略が進行する様子を観察できる希少なチャンスとなった。

 

シロアリを攻撃するツヤオオハリアリ 提供:AntRoom

 

ノースカロライナ州立大学の研究チームは数年前,アリの戦争の現場に偶然出くわした。当時,昆虫学の大学院生だったスパイサー=ライス(Elenor Spicer Rice)は,ノースカロライナ州モリスビルのオフィスパークでアルゼンチンアリの巣のネットワークを追跡しているうちに,オオハリアリの巣をいくつか見つけた。「アルゼンチンアリの縄張りのなかに別種のアリが巣を作ることができるなんて,とても異様だと感じた」と振り返る(アルゼンチンアリは通常,ライバルを容赦しない)。もっと異様だったのは,オオハリアリがアルゼンチンアリを追い返していたことだった。(続く)

 

 

続きは現在発売中の7月号誌面でどうぞ。

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