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マリファナはきっぱり有害〜日経サイエンス2013年5月号より

米国の若者に危険な誤解が広がっている

 


by Dank Depot 

 米国では10代の喫煙率は過去最低になっているが,マリファナを吸う者は増えており,それが有害だと思う若者もこれまでになく減っている。米国立薬物乱用研究所の未来監視プロジェクトの一部として昨年12月に公表されたデータによると,マリファナの常用が有害だと思う高校3年生はわずか44.1%で,1973年以来最低の水準だ。2012年に高校3年生の1/3以上がマリファナの使用経験があり,15人に1人が毎日吸っている理由は,このあたりにありそうだ。

 

 10代の考え方の変化の背景には,医療におけるマリファナの利用拡大という事実があるかもしれない。1996年以来,18の州とコロンビア特別区は,成人が医師の処方に基づいてマリファナを入手することを合法化した。また昨年11月,コロラド州とワシントン州は21歳以上のすべての人に対してマリファナを合法化した最初の州となった。「医療用にマリファナ使用が広く認められたことで,リスク認識が変わったといえるだろう」と,未来監視プロジェクトを率いたミシガン大学のジョンストン(Lloyd Johnston)はいう。

 

IQが8ポイント低下

 しかしマリファナが10代にもたらすリスクは成人の場合よりも大きい。昨年8月,デューク大学などの共同研究チームは,青年期にマリファナを大量に使用すると認知機能に永続的な害を及ぼす可能性を示す25年間にわたる調査研究結果を発表した。マリファナ依存と診断された10代と成人の被験者は,他の薬物依存や統合失調症,教育などの要因を考慮して補正しても,13歳から38歳までの間に知能指数(IQ)が最大で8ポイント低下した(マリファナをやめた者のIQは総じてわずかではあるが上がった)。さらに,10代にマリファナを吸っていた者が成人後になってからやめた場合には,IQは回復しなかった。

 

 どれだけ吸うと吸い過ぎなのか。「その答えを出すのは難しい」と,研究論文の主執筆者である心理学者マイヤー(Madeline Meier)はいう。マリファナタバコは同じものがほとんどなく,効果もまちまちであるため,消費量を正確につかむ方法がない。はっきりしているのは,青年期の脳はマリファナの影響をとりわけ受けやすいということだ。だから10代の若者はマリファナを吸わないのが賢明。そして,そのままずっと賢明であり続けることだ。■

 

 

 

再録:別冊日経サイエンス224「最新科学が解き明かす脳と心」

 

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