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「はやぶさ2」姿現す〜日経サイエンス2013年3月号より

探査機「はやぶさ」の後継機は,より始原的な小惑星を訪れ

表層のほか内部のサンプルも採取,複数の小型探査ロボットを着陸させる

 

 小惑星の塵を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」。その後継として開発中の「はやぶさ2」の機体が12月26日,宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで公開され,固まりつつあるプロジェクトの詳細も報告された。順調に進めば機体完成は2014年夏の予定だ。同年12月にH2Aロケットで打ち上げ,18年6月に目標の小惑星に到達する。

 

 公開されたのは機体本体と太陽電池パドルなど。それらを組み上げ,打ち上げ時に探査機が受ける振動を模擬した試験が行われていた。サイズは「はやぶさ」とほぼ同じだが,高さが15cmほど高く,打ち上げ時の重量は約90kg重くなって約600kgになる。5月にはその他の機器も機体に組み込んだ試験が始まるという。

 

 「はやぶさ2」は2006年に検討が始まり,10年初夏の「はやぶさ」地球帰還を受け,計画具体化に向けた動きが本格化した。正式なミッションになったことで大型予算が付き,2012年秋には陣容も大幅に強化された。

 

 全体を取りまとめるプロジェクトマネージャはJAXA宇宙科学研究所の國中均教授。教授は「はやぶさ」のイオンエンジンを開発,その運用に携わった。地球帰還を目前に,全部のイオンエンジンが動かなくなった危機を救った中心人物として知られる。科学部門の責任者であるプロジェクトサイエンティストは,惑星系形成論が専門の渡邊誠一郎名古屋大学教授。前任のプロジェクトマネージャで「はやぶさ2」立ち上げに奔走したJAXA宇宙科学研究所の吉川真・准教授は,ミッション関連分野の研究者との連携を密にするために新設されたミッションマネージャとしてプロジェクトを支える。

 

 

より始原的な小惑星を探査

 小惑星は天文観測によるスペクトルの違いでタイプ分けされる。代表的なのはS型とC型,D型の3つ。S型は岩石だが,C型は岩石のほかに有機物と水を含むとみられ,D型はわかっている部分はあまりない。「はやぶさ」が探査した小惑星はS型のイトカワで,「はやぶさ2」が向かうのはC型の1999 JU3だ。この小惑星は直径約900mの球に近い形をしている(イトカワは全長約540mのピーナツのような形)。

 

 これら3タイプは太陽系内の分布域が違う。S型は小惑星帯(火星軌道と木星軌道の間にある小惑星が多数存在する領域)の火星側に多く,地球軌道近くまで来るもののほとんどはこのタイプだ。C型は小惑星帯の中でも木星側に多く,地球軌道近くまで来るものはあまりない。「はやぶさ2」が探査する1999 JU3はその数少ないうちの1つだ。(続く)

 

 

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