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世界最強スパコン「タイタン」〜日経サイエンス2013年3月号より

GPUを利用し省エネ・高速化

 

 後に世界一のスーパーコンピューターにアップグレードされることになる「ジャガー」を米エネルギー省オークリッジ研究所が初公開したのは2005年のことだった。ジャガーは2011年時点で, 22万5000個近いプロセッサーを持ち,最大で毎秒2300兆回の計算を実行する消費電力7メガワットの大きなシステムに膨れ上がっていた。

 

 だがそれでも,エネルギー研究分野の複雑な問題に対応するため,処理能力を10倍に高める必要が生じた。単純にCPUの数を増やすと,6万世帯分に相当する大電力が必要になる。力ずくではうまくいきそうになかった。

 

 そこで,オークリッジ研究所の技術者たちはビデオゲームに目を向けた。より正確にいえば,マイクロソフトのXboxや任天堂のWiiなどのビデオゲーム装置に使われているグラフィックプロセッサーだ。2012年10月下旬,ジャガーは「タイタン」になった。CPUとGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)アクセラレーターを利用して,ジャガーの10倍の処理能力を1/5の消費電力で実現した。

 

Courtesy of Department of Energy’s Oak Ridge National Laboratory 

 

 昨年6月以降,世界最強のスーパーコンピューターの座にあったのはエネルギー省の「セコイア」だったが,タイタンがこれに取って代わった。ただし,タイタンの性能を引き出すには工夫がいる。CPUだけを使っていたジャガーはアーキテクチャーが単純なためソフトウエアの作成も比較的容易だったが,「タイタンのようなマシン向けのプログラムはアルゴリズムが複雑になるので大仕事だ」とオークリッジ研究所のコンピューター科学者エバンス(Tom Evans)はいう。(続く)

 

 

続きは現在発売中の3月号誌面でどうぞ。

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