News Scan

隠れた庭師,デバネズミ〜日経サイエンス2013年2月号より

かわいい動物とはいえないかもしれないが,その盛り土は生物多様性を支えている

 

 デバネズミは目が小さく地虫のような体で,毛のないものもいる。ほとんど地中で生活しているが,地上の生態系に大きな影響を与えているようだ。Journal of Zoology 誌に最近掲載された報告によると,デバネズミが地下にトンネルを掘る行動が,アフリカの生物多様性のホットスポットである南アフリカ共和国ケープ・フィンボス地域の植生の組成に強い影響を与えている。

 

 デバネズミは穴を掘るとき,土と一緒に植物や食べ残したエサ,自分の糞尿をかき混ぜる。その後,この有機物と無機物の混合物を穴から外に出し,独特の盛り土を形成する。

 

 プレトリア大学の研究者グループは,この盛り土が植物の栄養豊富な肥料となっていることを突き止めた。対照サンプルに比べ,高濃度の窒素,マグネシウム,カリウム,ナトリウム,カルシウムを含んでいる。また,かき混ぜられた土の粒子は細かくなり,熟練の庭師が作るような空気を含む吸水性の高い土になる。

 

 植物が栄養豊富なホットスポットを逃すはずはなく,実際に研究チームはデバネズミの盛り土では植物の多様性が大きく高まっていることを発見した。おそらく,そのあたりによく見られる植物を根こそぎひっくり返したり埋めたりした結果,新しい種類の植物がその跡に定着しやすくなるのだろう。(続く)

 

続きは現在発売中の2月号誌面でどうぞ。

サイト内の関連記事を読む