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自ら形を決めるナノ粒子〜日経サイエンス2012年12月号より

自己組織化する粒子が新素材のカギを握る

 

 チアリーダーたちが人間ピラミッドを作るのと同様,粒子も自らを複雑な形に組み上げることがある。ミシガン大学の研究者たちは最近,物体は形によって周囲の“混雑具合”に対する反応の仕方が大きく変わることを発見した。小さなナノ粒子の形状を適切に設計すれば,隣り合うナノ粒子と空間を分かち合うよう強いられて,より大きな構造体に自己組織化する可能性があり,どんな形の構造体になるかもあらかじめ予想できる。Science誌7月27日号に掲載されたこの研究は,新材料を設計するのに役立つ可能性がある。

 

 研究チームは理想的な多面体の形をした145種類の粒子についてコンピューターシミュレーションを行った。同じ形の粒子どうしを密に充填した場合,これら多面体粒子のほとんどは,結晶格子またはそれに近い配列を取った。論文を共著したミシガン大学の化学工学・材料科学・物理学教授のグロッツァー(Sharon Glotzer)らは以前に,ある種の形をした粒子が自然に自己組織化することを発見していたが,今回のシミュレーションはそうした振る舞いが例外的なものではなく,むしろ通例であることを示した。

 

粒子集団が示す規則的な振る舞い

 さらに,いくつかの形の粒子は見事に調整された組み上がり方を示した。底面が正方形のピラミッド形は6個が結合して「スーパー立方体」になり,そのスーパー立方体がより大きな立方格子を形作る。

 各形状の粒子集団が示す振る舞い方がでたらめではなく,規則的であることもわかった。実際,2つの数値だけで結果をほぼ予言できる。粒子の形状をおおまかに反映した「等周商」という数値と,隣り合う粒子の数を示す「配位数」に基づいて,その多面体粒子がどんな結晶になるかを94%の確率で予測できた。(続く)

 

 

続きは現在発売中の12月号誌面でどうぞ。

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