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雨を見たかい?〜日経サイエンス2012年12月号より

土砂降りでもちゃんと道路を照らすヘッドライト

 

 夜に土砂降りや吹雪の中で車を運転すると,ヘッドライトが雨粒や雪片を照らすばかりで,前方の路面に光があまり届かないことに気づく。だが,新開発の“賢い”ヘッドライトなら,雨粒や雪片のすき間をぬって光を放つことで,こうした危険を減らせるかもしれない。

 

 このヘッドライトは多数の電球をアレイ状に並べたもので,滝のような豪雨であってもほとんどは何もない空間であるという事実を利用している。カーネギーメロン大学のナラシマン(Srinivasa Narasimhan)がテキサス・インスツルメンツやパリ国立高等鉱業学校(フランス)などの研究者と共同で設計した。デジタルカメラを使って個々の雨粒や雪片の動きを追跡し,コンピューターアルゴリズムを適用してそれらの数ミリ秒後の位置を予測する。そのままでは予測位置の雨粒や雪片を照らすことになる電球を消すことで,無駄になる光を減らす。

 

 カメラは8ミリ秒ごとに撮影し,ヘッドライトを構成する多数の電球を13ミリ秒以内に調整する。ナラシマンによると,時速30kmで運転している場合,前方4mの雨は70%ほど見えなくなるという。今後,時速95km以上で試験する計画。カメラからヘッドライトへ情報をより素早く伝える方法を開発中だが,この賢いヘッドライトが路上にデビューするにはあと2〜3年かかりそうだ。

 

 

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