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割に合わない銀行強盗〜日経サイエンス2012年11月号より

データによるとリスクのほうが大きい

 

 銀行強盗の野望を抱いている諸君,気をつけたまえ。銀行の機密データを統計解析した最新の結果によると,銀行強盗の先に待っているのは大金の山ではなく監獄だ。

 

 「平均的な銀行強盗によって得られるものは,率直にいって,くずにすぎない」。米国統計学会と英国の王立統計学会が隔月刊で発行するSignificance誌に6月に掲載された英国の銀行強盗の経済学に関する論文の著者たちはそう書いている。

 

 英サリー大学の経済学者リックマン(Neil Rickman)とウィット(Robert Witt),英サセックス大学のライリー(Barry Reilly)は,英国銀行協会と何カ月も交渉した末,2005年から2008年までに英国で発生した364件の銀行強盗を詳細に記録した機密文書を入手した。この種の詳細なデータは米国では得られない。銀行が情報を記録していても,連邦捜査局(FBI)が四半期ごとに発行する銀行強盗に関する報告書では銀行名が伏せられてしまうからだ。

 

1人の取り分は平均で2万ドル弱

 英国銀行協会の統計を解析した結果,英国の銀行強盗に関与した犯人は1件あたり平均1.6人で,1件の金額は平均3万1900ドル,標準偏差(ばらつき)は8万4000ドルとなった。均等に山分けしたとすると,1件1人あたりの取り分は平均で1万9900ドルとなる。これはコーヒーショップで働くバリスタの年収とほぼ等しい。

 

 銃を使った場合,もうけは平均で1万6100ドル増える。共犯者が多い場合も同様だ。しかし単独犯のほうが実入りは大きい。共犯者と組んで奪取総額を増やしても,頭割りにすると1人あたりの取り分が減ってしまうからだ。(続く)

 

続きは現在発売中の11月号誌面でどうぞ。

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