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ナンバーワンは誰だ〜日経サイエンス2012年9月号より

完璧なランキングが存在しないわけ

 

 どの商品を買うか,どのウェブサイトをクリックするか,どの映画を観るか,あるいは子供をどの大学に行かせるかまで,その決定はすべてランキングに左右される。しかし,誰があるいは何がこれらのランキングを決めているのか,考えたことがあるだろうか。ランキングは主観的な意見なのか,はたまた別の何かが見えないところで進行しているのか?

 

人気投票──その1票の重み

 ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)が後にフェイスブックへと進化するサイト「フェイスマッシュ」でハーバード大学の女子学生を評価・ランク付けした際の状況を考えてみよう。最も直接的な方法は人々にお気に入りを投票してもらうことだろう。その場合,女子学生の格付けは単純に得票数の順になる。だが,すべての票が同じ重みを持つことはまれなので,この方法はうまくいかない。例えば事情をよく知らない人の1票は知識が豊富な人の1票ほどの価値がないだろうし,フェイスマッシュの例では投票者の性別が重要な意味を持ってくる。

 投票者を重み付けするのは難しく,誰が投票しているのか不明の場合は不可能だ。そこで,大学フットボールチームの格付けに使われているボウル・チャンピオンシップ・シリーズ方式が考えられるだろう。女子学生トップ10選びに当てはめると,投票者に,最もお気に入りの学生に10点,2番目にお気に入りの学生に9点,といった具合に点数を割り当ててもらう。各女子学生について得点を合計すると,順位が決まる。

 

直接対決の成績から

 しかし,ほとんどのファンは応援するチームが直接対決でどのくらい勝っているかに基づいてランク付けされるよう望んでいる。実際,この要望があまりにも強かったので,大学フットボールのコミッショナーは4月,2014年のシーズンにプレーオフ試合の導入を検討していることを発表したほどだ。ザッカーバーグは本能的に,格付けを確立するにはこうした直接対決を導入したほうがよいことを知っていた。彼は1対1の対戦を実現するため,2人1組の写真をサイトに表示し,「どちらが美人?」と質問した。採点は簡単。それぞれの対戦で勝者に1点,敗者に0点が付けられる(引き分けの場合は0.5点ずつ)。

 次の問題は,これをどうやって格付けに変えるかだ。(続く)

 

続きは現在発売中の9月号誌面でどうぞ。

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