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秘密は尻尾にあり〜日経サイエンス2012年5月号より

トカゲのジャンプから学んで安定走行ロボットを作る

 

 SFにはヒューマノイド(人間型ロボット)がたくさん登場するが,現実世界では昆虫や爬虫類など,ヒト以外の動物のほうがロボットのモデルとして役立っている。ロボットは脚の数が多いほど,険しい地形を容易に移動できる。また,霊長類が持っているような手よりも鉤爪のほうがロボットに生かすのは容易だ。そして最近報告されたように,尾は安定化機構として非常に使い道が多い。

 ヘビやアリ,バッタの後尾がロボット工学者にそうしたインスピレーションをもたらしてきた。最近,カリフォルニア大学バークレー校の生物学者フル(Robert J. Full)らはレインボーアガマというアガマ科(Agama)のトカゲを調べた。Nature誌1月12日号に発表された論文で,滑りやすい面にレインボーアガマが飛び移る様子を注意深く調べた結果がロボットの改善につながると述べている。

 レインボーアガマが四角いブロックから垂直面に飛び移る際に,滑りやすい面に足がかりがない状況を,尾を持ち上げることによって克服している様子が,高速ビデオ撮影とモーションキャプチャーによってわかった。ブロックを紙やすりで覆った場合には,安定化の必要があまりないので,ジャンプ中に尾は垂れ下がったままだった。

 

尻尾つきロボットのバランス技

 フルらのチームはこのトカゲの尾立て戦略を,「テールボット」(“尾ボット”)と名づけた小型の四輪ロボット車両に適用した。車両の後部に安定化用の尾を取り付けて傾斜面から空中へ送り出したところ,尾を低い位置にしておいた場合には,テールボットは頭から突っ込むように落ちた。しかし,傾斜面から飛び出したテールボットの姿勢に応じてアガマトカゲのように尾を上げた場合は,よりバランスの取れた姿勢で四輪着地できた。現在フルは学生たちとともに,尾がテールボットの走行中に横揺れ(および縦揺れと偏揺れ)を抑える仕組みを調べている。(続く)

 

続きは現在発売中の5月号誌面でどうぞ。

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