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MgB2超電導体で初の永久電流〜日経サイエンス2005年12月号より

 日立製作所は物質・材料研究機構と共同で,二ホウ化マグネシウム(MgB2)超電導体を用いたシステムで電流を減衰せずに流し続ける実験に成功した。
 MgB2は-234℃で超電導状態になり,従来のニオブ系よりも高温なため,安価で小型の冷却設備ですむ。2001年に青山学院大学のチームが発見して以来,世界で開発が進められてきたが(S. L. バトコほか「超電導の常識を破った二ホウ化マグネシウム」日経サイエンス2005年7月号),線材どうしをつなぐ接合部が酸化して絶縁膜ができ,超電導状態が壊れる問題があった。
 同研究グループは線材に酸化防止層を設けるとともに,接合部を近接させ,超電導状態が壊れない構造を実現した。これをニオブチタン線とつなげて閉回路を構成し,-269℃の条件で永久電流と1.5テスラの高磁場の発生を確認した。
 磁気共鳴画像装置(MRI)などの磁石に応用すれば,コストを3割,重量を4割も削減できると期待されている。日立は来年1月からサンプル出荷を始める予定だ。

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