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痛いの痛いの飛んでけ!〜日経サイエンス2006年2月号より

 プラセボ(偽薬)には何の薬理効果もないのだが,患者が効果を信じ込んでいる場合,想像以上の実績が上がるようだ。

 

 ミシガン大学アナーバー校とメリーランド大学の神経科学者たちは,健康な若い男性ボランティアを募り,あごの筋肉に食塩水を注射して痛みを引き起こした。その後,「生理食塩水を静脈に点滴すると鎮痛作用がある」と被験者に説明したうえで点滴を行い,15秒ごとに0から100の段階で不快感の強さを自己申告してもらった。

 

 同時に脳画像を撮影したところ,痛みとストレス,報奨,感情への応答に関連する領域がエンドルフィンという物質を放出していることがわかった。エンドルフィンは天然の鎮痛剤で,麻薬に似た作用がある。エンドルフィン放出のタイミングは,被験者が痛みや不快感が和らいだと報告した時期と一致した。

 

 今後は女性の被験者や慢性疼痛患者でも同様の効果が生じるかどうかを調べる予定だ。

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