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ブラウン運動を詳しく見ると…〜日経サイエンス2006年2月号より

 アインシュタイン(Albert Einstein)は相対性理論のほか,ブラウン運動の理論も打ち立てた。流体中に浮遊する微粒子がランダムに運動するのは,周囲の分子が微粒子に衝突した結果であるという説明だ。しかし,ブラウン運動はアインシュタインの予測とは違って,完全にはランダムでないのかもしれない。最近,この主張を裏づける実験結果が発表された。

 

 実験では,ミクロンサイズの小さなプラスチック球とガラス球を水中に入れ,焦点をナノメートル級の微細スポットに絞ったレーザーをマイクロ秒間隔で照射して追跡した。この結果,ブラウン運動に関する修正理論の正しさが確認された。修正理論では,流体の慣性によって,微粒子の運動がある程度まで予測可能になる。

 

 テキサス大学オースティン校の生物物理学者フローリン(Ernst-Ludwig Florin)は,今回の発見は生体細胞で起きている動的な現象の理解や,ナノスケールの超微細構造を形成する際の基礎になるという。

 

 Physical Review Letters誌2005年10月11日号オンライン版に掲載。

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