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エイズウイルスが弱体化?〜日経サイエンス2006年2月号より

 最近のエイズウイルス(HIV)は以前よりも弱くなっているようだ。少なくとも増殖能力という点では。

 

 治療を受けていないエイズ患者から最も一般的なウイルス株であるHIV-1を採取し,1986~89年の標本と2002~03年の標本を比較試験した。ウイルスにヒトの血液細胞と免疫細胞を与えたところ,以前のウイルスは最近のウイルスよりも増殖しやすく,抗HIV剤も効きにくかった。HIV-1がヒトからヒトに感染するうちに人体の環境に適応し,宿主を生かしつつ自らも生き残れるよう,増殖率が低下した可能性がある。

 

 とすると,HIVはいずれ致命的なウイルスではなくなるのだろうか。研究チームの一員であるケース・ウェスタン・リザーブ大学のアーツ(Eric Arts)は「それまでに20年かかるのか,200年なのか,2000年なのか,研究を重ねなければ何ともいえない」という。研究にはベルギーのアントワープにある熱帯医学研究所の科学者も加わっている。

 

 この発見はAIDS誌2005年10月14日号に掲載された。

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