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危険なウイルスを糖で識別〜日経サイエンス2006年5月号より

 糖を使って,インフルエンザウイルス株の致死性を特定できそうだ。

 インフルエンザウイルスにはヘマグルチニンというタンパク質があり,これが人間の細胞表面にあるシアル酸を含む糖タンパク質に結合して,人体に感染する。スクリプス研究所を中心とするチームは200種類の炭水化物と糖タンパク質を用い,ヘマグルチニンが結合する可能性のある主な分子を並べたアレイを開発した。1918年に大流行したスペインかぜを含む8種類のインフルエンザウイルス株をこれによって調べ,鳥インフルエンザウイルス株のヘマグルチニンのうちたった2カ所が変化するだけで人間に感染するように変わる恐れがあることを明らかにした。

 スペインかぜが多くの死者を出した理由に,これで説明がつく可能性があるという。さらに,このアレイを使えば,鳥インフルエンザウイルス株が人間に大流行を起こす形にどれだけ近いかを素早く検査できるかもしれない。

 Journal of Molecular Biology誌2月3日号に掲載。

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