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シロアリをだます菌類〜日経サイエンス2006年6月号より

カッコーも顔負けの托卵の新名人が登場した。Athelia属という菌類のうちいくつかの種はシロアリをだまして,自分たちの子孫を育てさせる。
これらの菌の菌核粒子は繊維でできた堅い球体で,「シロアリ玉」とも呼ばれる。シロアリの排泄物がたまったところにこれが落ちると,菌類に成長してコロニーができる。排泄物の中では資源争奪競争はない。シロアリは自分たちの卵と直径やにおいが同じ球体にはいつもそうするように,菌核粒子に唾液をせっせと塗りつける。この唾液は保湿剤と抗生物質の役目を果たす。
岡山大学の昆虫学者である松浦健二(まつうら・けんじ)は1月24日にオンライン公開されたProceedings of the Royal Society Bの論文で,ペトリ皿でシロアリの卵と菌核粒子を一緒に育てたところ,菌核粒子は卵に利益も害も及ぼさなかったと報告している。この珍しい模倣によって,菌類はシロアリを利用しているのだと松浦は結論づけた。

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