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磁力が生む人工重力〜日経サイエンス2006年7月号より

 重力の変化を模擬する装置は遠心力装置から無重力実験用ジェット機までさまざまだが,単純な磁力が最も融通の利く方法となるかもしれない。

 

 生体組織は反磁性で,外部から磁場を加えると逆向きに磁化する。ブラウン大学の研究グループは強力な磁石でカエルを浮揚させ,実質的な無重力状態に置いた。さらに最近では,単細胞生物のゾウリムシが感じる重力を変化させたり逆転したりすることに成功した。ゾウリムシは重力を感知して,それとは反対の方向に泳ぐ。磁場によって模擬的に作り出した重力が10g(gは重力加速度)までは泳ぎ続けたが,それ以上になるとスピードが鈍り,動かなくなる。

 

 この技術を使えば,作るのが難しい医学研究用の生体組織を成長させられるかもしれないと,ブラウン大学で物理学のPh. Dを取得予定のゲボルキアン(Karine Guevorkian)はいう。3月に開かれた米国物理学会の会合で報告された。

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