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月面にガス噴出〜日経サイエンス2007年3月号より

 月は冷えきった静かな天体だと考えられているが,実は違うかもしれない。アポロ15号が撮影した写真を改めて調べたところ,「アイナ」と呼ばれる地形のなかに細かく縮れたような構造が見つかった。地形が比較的新しいことをうかがわせる。
 小惑星衝突の痕跡であるクレーターがアイナにあまり見られないのも,この地形が誕生から1000 万年未満であることを示している。また,人工衛星で分光観測したところ,アイナのなかにあるクレーターの深くに鉱物の反射スペクトルが見つかったが,こうしたスペクトルは時間がたつほど不鮮明になるのがふつうだ。過去100万~1000万年の間に突発的なガスの噴出が起こり,表面からほこりを吹き飛ばして新しい地形を露出させたのだと考えられる。
 論文を執筆したブラウン大学のシュルツ(Peter Schultz)は,月の火山活動はすでに停止しているとしても,その副産物はまだ月の表面へと上昇を続けているという。 
 Nature誌2006年11月9日号に掲載。

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