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iPS細胞で神経疾患を改善〜日経サイエンス2008年8月号より

 成体マウスの皮膚細胞を胚性幹細胞(ES細胞)に似た状態に初期化し,このiPS細胞を使ってラットのパーキンソン病を和らげる実験が成功した。
 ドーパミン産生ニューロンを破壊する毒素を健康なラットに注射してパーキンソン病に似た運動障害を引き起こした後,iPS細胞による治療を施した。ほとんどのラットは4週間以内にバランスと運動の統制が改善され,ドーパミンが高まったラットも1匹いた。
 もっとも,この方法を人間に適用するには多くの問題を解決しなくてはならない。まず,パーキンソン病は非常に複雑な病気であり,それを完全に再現したラットで実験する必要がある。また,皮膚細胞を変化させるのに使われたレトロウイルスはがんを引き起こすことが知られている。それでも,今回の研究はiPS細胞が脳に組み込まれて神経変性疾患を改善した初の例だ。米国科学アカデミー紀要オンライン版4月7日号に発表。

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