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ノイズで働く論理回路〜日経サイエンス2009年7月号より

 マイクロチップの集積度が上がるにつれて,熱ゆらぎや配線間のクロストーク(混信)などから避け難い電気的ノイズ(雑音)が生じてチップの機能を損なう恐れがある。しかし,この問題を「確率共鳴」によって回避できるかもしれない。ノイズを加えることで信号が強まる現象で,システムの性能を向上できる可能性がある。
 感覚神経などある種の構造では,背景ノイズが十分に大きな場合にだけ信号が出力される。アリゾナ州立大学の研究者たちは同様に振る舞う論理ゲート(論理機能を実行する素子)を組み立てた。雑音レベルが低いときには動作の信頼性が低いが,最小のトランジスタに予測されるある雑音レベルでは正しく動作する。
 こうした奇妙な非線形性はマイクロチップをさらに小型化するのに役立つかもしれない。さらに,回路に加えるある種の電圧を変えるとゲートを動作中に再構成できるので,“変身プロセッサー”を作ることが可能。詳細はPhysical Review Letters誌3月13日号に。 

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