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虫下し〜日経サイエンス2009年7月号より

 薬草を見つけ出す能力は高度な脳を持つ生物に限られるとみられていた。例えば腸に寄生虫を抱えたチンパンジーは,毛の生えた葉をのみ込んで寄生虫を追い出す。しかしウェスリアン大学の研究者たちが,ある毛虫も病気を自分で治療することを発見した。ヒトリガの一種の幼虫,クマケムシ(Grammia incorrupta)だ。
 寄生バエの幼虫に侵入されたクマケムシは通常の約2倍のアルカロイド(詳しくはピロリジジンアルカロイド)を食べた(これらの毒素は赤根草などクマケムシが食べる植物に自然に含まれている)。この結果,寄生虫に侵入されたクマケムシのうち“薬草”を食べたものは,食べなかったものに比べ,成虫にまで生き延びる率が約20%高かった。
 無脊椎動物が自己治療する例が見つかったのはこれが初めてだ。PLoS ONE誌3月10日号に掲載。