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超音波フライドポテト~日経サイエンス2011年9月号より

カラッと揚がって中身はソフト

 

Fries (lock screen)” by brett jordan

 フライドポテトは欧米で最も一般的に消費されるスナックで,さまざまな形で少なくとも300年は作られてきたから,そんな地味な食べ物から何か新しいものが生まれるはずはないと思うだろう。しかし,英国のシェフであるブルーメンタール(Heston Blumenthal)は数年前,そうした考えを打ち砕いた。彼は研究シェフのヤング(Chris Young)とともに,ハンバーガー屋で見かけるものとは大違いの味と食感を持つ3回加熱調理のフライドポテトを考案した。
 他のシェフたちが水準をさらに引き上げた。ニューヨークにあるフランス料理学校のノーレン(Nils Noren)とアーノルド(Dave Arnold)はポーランド人研究者による研究結果をもとに,酵素でポテトを処理することによってフライドポテトの中身の食感を改善する方法を見つけた。酵素がフライドポテトに含まれるペクチンの分解を助け,滑らかな口あたりをもたらす。

 

究極のレシピは…
 これらに刺激を受け,ワシントン州ベルビューにある料理研究所のビレット(Maxime Bilet)とジュー(Johnny Zhu)ら研究シェフたち(ヤングを含む)は,さらなる改善を目指して様々な技法を試した。勝ち残った調理法は,材料は単純だが作業はかなり手が込んだものになる。棒状に切ったジャガイモを2%の塩水と一緒に袋に入れて密閉し,茹でる際の形崩れを防ぐ。その後,歯科医や宝石職人が使うのと同じ超音波洗浄機を使って強烈な音波を当てる。40キロヘルツの超音波で長時間処理すると,ポテトの表面にひびが入り,多数の小さな気泡と裂け目が生じる……。

 

 

続きは現在発売中の2011年9月号誌面でどうぞ。

再録:別冊日経サイエンス205「食の探究」

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