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がん検査用アプリあります~日経サイエンス2011年7月号より

スマートフォンを病気の診断や血液検査に利用

 

 スマートフォンはネットサーフィンや電子メール,音楽プレーヤーなど,もはや単なる電話機をはるかに超えた使われ方をしている。さらにこれを,がんや感染症の診断,治療効果の確認などができる携帯ツールにする試みが始まっている。スマートフォンがこれだけ広く普及していることを考えれば,最先端の医療技術を発展途上国に届けることもできるだろう。

 

 がんの診断は高額で時間もかかる。だが,ハーバード大学医学部のワイスレーダー(Ralph Weissleder)らは,スマートフォンと弁当箱大の機械を使って転移がんが疑われる患者の腹部から針で採取した小さな組織片を調べ,がんを確定診断したとScience Translational Medicine誌に発表した。まず,採取した生体試料に4種類のがん関連タンパク質に結合する抗体を加える。小型装置は核磁気共鳴を使ってこれを解析し,抗体と結合したタンパク質の量を磁気特性に基づいて割り出す。この結果をスマートフォンに送り,同研究チームが設計したアプリケーションを用いて画面に表示した。

 

 ノートパソコンもデスクトップパソコンも必要ないため,診療所の外でも患者を容易に診断できる。これに対し従来の診断法では,結果が出るまで3日以上かかるうえ,採取する組織の量が多く,患者の負担が大きい。

 

 抗体の種類を変えれば,どんな種類のがんでも診断できるだろうと,ハーバード大学のシステム生物学者で論文を共著したリー(Hakho Lee)はいう。治療の進行状況も追跡できた。「がん細胞の数が減るか,特定のマーカーの発現レベルが低下していれば,治療がうまく進んでいることがわかる」とリーはいう。5年以内の製品化を期待している。

 

続きは現在発売中の7月号誌面でどうぞ。

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