きょうの日経サイエンス

2011年1月19日

NHK大科学実験:氷でたき火──でも何で?

 

NHK「大科学実験」ファンの皆さま,こんばんは。
先週はたくさんのコメントをありがとうございます。<(_ _)>
私の腰痛に対するお見舞いの言葉までいただき,感謝感激です。現在はちゃんと直立二足歩行しております。

 

お寄せいただいたコメントに関連して,お伝えしたいことがあるのですが,再放送のときのためにネタの温存をしておくとして,今回は今晩のテーマである「氷でたき火」。

 

番組を見ていただくとわかるとおり,お日さまさんさんの下で作業した1枚目の氷のレンズは細かなヒビがいっぱい入って割れてしまいました。2枚目は木陰で作業をし,透明度を保つことに成功しました。

 

制作スタッフの話ですと,氷屋さんたちは「紫外線があたるとヒビが入る」と言っていたそうです。番組公式サイトにも書いたように,太陽光が氷の内部で吸収されて,その部分が融けてしまうからなのですが,あれ? それって紫外線なのかな?と,たぶんここに来る皆さまもお感じになると思います。

 

理屈としては,電子レンジが水分子を熱運動させるのに似ていますよね。電子レンジの波長がマイクロ波であることを考えると,紫外線側ではなく,赤外線側の波長のような気がします。氷屋さんが言い間違えたのか,制作スタッフの聞き間違い・覚え間違いか・・・。でもいずれにしても,こうした現象を経験的に知っているのというのは「やはり現場を知る人ならではだなぁ」と感じ入りました。

 

さて,今回の表題ですが,そもそもなぜ氷のレンズでたき火をすることになったのか? 実は,この回には最初は壮大(?)なストーリーがありました。この回の直接の担当者以外は見ていなかったという絵コンテを見せてもらいました。

 

絵コンテは宇宙から見た地球の姿から始まっていました。
 なんと地球は完全に凍りついてしまったのです!
 人々も氷に閉じこめられています。
 たまたま,氷から出ることのできた実験レンジャーは,
 何とか氷づけになった仲間を助け出したい!と思います。
 そこで,氷からレンズを作って,火をおこします。
 見事に火をつけて,めでたし,めでたし。

 

このストーリーに合わせるために,収録の時には午前中をかけて,ロケ地となった幼稚園に“雪化粧”を施していたそうです。園庭の木も凍りついたように見えるようにして・・・。

 

ところが・・・。

 

ご覧の通り,1枚目の氷は割れてしまいます。あの氷は2つの氷を合わせて作るほどの規格外の大きさですから,すぐには手に入りません。

「氷,割れちゃったよ・・・どうする?」と,スタッフは真っ青
「予備,ありますけれど。使います?」と氷屋さん。
「ええっ! 予備があるんですかΣ(゜∀゜) 半分だと少し暗いけれど,それでもいいです,半円レンズでやりましょう!」
「いえ,2つ持ってきています」

 

と,いうわけで氷屋さんが気を利かせてくれたおかげで,2枚目のレンズを無事に作ることができました。

 

スタッフは1枚目のヒビ入りレンズでなかなか火がつかないことを体験していますので,「火はなかなかつかないもの」と思い始めていたそうですが,2枚目では覆いを外したら,あっという間につきました。「おお?」という声は現場の素直な反応です。

 

この時点で,予定の時間もオーバーしてしまったし,あの1枚目の失敗を活かすということで,ストーリーが変更になりました。残念ながら“氷づけの実験レンジャー話”はお蔵入りに。

 

それにしても・・・・氷屋さんが予備を用意してくれていなかったら,どうなったんだろう・・・・。と,いうか,何で最初から,予備の注文をしておかなかったのだろう??? 「卵の上のラクダ」の回などでは,かなりの数の予備の卵が用意されていたのに・・・・。 予算の都合なんだろうなぁ,やっぱり。ここまでで相当,使っちゃったしねぇ。

 

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