きょうの日経サイエンス

2010年12月20日

Science誌の選ぶこの10年の10大成果:古代のDNA

Science誌の選んだこの10年の10大成果で2番目に上がっているのは「精密な宇宙論」(Precision Cosmology)ですが,これは編集部にほかにふさわしい書き手がいるので譲るとして(無茶ぶり?),3番目の「古代のDNA」を。

 

化石などから古代生物のDNAを抽出できるようになり,骨などの形態だけでなく,いろいろとわかるようになったというお話です。確かに,とってもエキサイティングでワクワクするお話なのですが,それって「この10年」だっけ?

 

この分野はドイツ・ライプツヒにあるマックス・プランク進化人類学研究所のスベンテ・ペーボ博士が第一人者です。彼はネアンデルタールのミトコンドリアDNAの解析に成功して,科学界を驚かせましたが,第一報は1997年です。この10年ではないんですね。まぁ,続報が次々と出て,とくに2010年5月には,ネアンデルタール人と現代人のゲノムに関する驚きの報告をしていますから,この10年なのかな。

 

スベンテ・ペーボは日経サイエンス1994年1月号にそのものズバリ「古代のDNA」という記事を書いています。ここでは数千年前のミイラからDNAをとることに成功したというお話で,このときには本当にびっくりしました。残念ながら,1994年1月号はウェブの開設前で,リンクを貼れるページもありませんが,別冊日経サイエンス126「遺伝子技術が変える世界」に再収録しています。図書館や古本屋さんでどうぞ。

 

また,ネアンデルタール人ゲノムと現代人ゲノムのお話は,日経サイエンス2010年8月号のNEWS SCANに載せています。こちらはウェブサイトにUPしてるので,ぜひどうぞ。

 

そうそう,Science誌の「古代のDNA」の詳しい記事ページでは,最後の方でティラノサウルスの組織の話に触れています。これに関しては,2011年1月25日発売の日経サイエンス3月号に載せますのでお楽しみに!(詫摩)

 

古代のDNAに関連した書籍・記事
別冊日経サイエンス126「遺伝子技術が変える世界」(ごめんなさい品切れです:図書館などでどうぞ)
NEWS SCAN「私たちのDNAにネアンデルタール人の痕跡」日経サイエンス010年8月号